突然ですが、「バングラデシュ」について知っていることを5分間でいくつ出せますか・・・?
以下は今回出前授業をさせていただいた大学生の回答です。
「物価が安い・ヒンドゥー教・人が多い・手で食べる・洋服の生産が盛ん・親日国・日本の植民地だった・アジアにある」などなど
実際にはバングラデシュの9割の方が信仰するのはイスラム教で、日本の植民地であった歴史はありませんが、
バングラデシュと聞いても ‶ピン!″ とくる人は少ないのではないでしょうか。
そんな中、1月16日(月)に沖縄大学の「人文地理学Ⅱ」の授業にて
バングラデシュ出身のアコン エモデイ サヒンさん(以下サヒンさん)をゲストスピーカーに招いて、出前授業を実施しました。
※サヒンさんはシャヒンさんともよばれています。
お仕事が忙しい毎日とのことですが、今回快くボランティアとしてゲストスピーカーを引き受けてくれました。
\簡単にバングラデシュについてご紹介/
バングラデシュは国土が日本の40%ほどの面積ですが、人口は2021年時点で1億6千万人をこえています(出典:外務省)。
国民の9割がイスラム教を信仰し、ベンガル語と英語を公用語とする国です。
(出典:Google)
そんなバングラデシュから3年前に技能実習生として来日し、
現在は県内で工事に携わるお仕事をされているサヒンさんに
クイズやアクティビティを通してバングラデシュを深堀りしてもらいました。
↓↓以下、授業のようすです↓↓
(写真:アイムジャパンさんより)
①まずはアイスブレイク「バングラデシュクイズ!」
Qバングラデシュの国旗はどっち??
正解は左です◎(右はネパールですね!)
バングラデシュがパキスタンから独立をした際、
日本の国旗を参考にバングラデシュの国旗が作られたそうです。
緑は豊かな大地をあらわし、赤は太陽と独立戦争で流れた血を意味するそうです。
学生さんの感想を見ていると、「国旗の意味が印象に残った」という方も結構いました。
②写真から何が読み取れる?
写真から読み取れる情報をそれぞれ5分間考えた後、サヒンさんが解説していきます。
↓たとえばこの写真↓
(写真:サヒンさんより)
今回の授業実施にあたって、サヒンさんは「食文化と食べ方について紹介したい!」とよく口にしていました。
バングラデシュでは主に手を使って食事をします。
サヒンさんも自宅では手を使って食べることも多いようですが、
職場ではお箸やフォークなどを使うそうです。
「どうして手を使わないのーー?」と理由を聞いたら、
「日本にいる時、人前で手を使うのはちょっと恥ずかしい・・・」とのこと。
学生さんの感想シートを見てみると、「恥ずかしいという感情はどこからくるものなんだろう?」と考えてくれた学生さんも多かったようです。
(写真:サヒンさんより)
最後はバングラデシュの写真・・・ではなく
サヒンさんのお仕事中の写真を紹介しました。地面に図面のようなものを書いています。
サヒンさんのお仕事は配管工事です。
仕事仲間とのささいなひと時や、エピソードも織り交ぜてお仕事についてお話してくれました。
そんなサヒンさんが熱心に母国や自身のことを伝える様子に、
昼食後という少し眠たい時間ではありましたが、
1人1人が熱心にサヒンさんのお話に耳を傾けていました。
授業のはじめ、学生さんに「外国人のお知り合いはいますか?」と聞いてみたところ、62人中3~5名のみ、「バイト先にネパール人がいる!」「友達にいるよ」と答えてくれました。
法務省の最新データ(2022年12月発表)によると、沖縄に住む外国人は2万人を超えていますが、
まだまだ「町で見かけるけど話したことはない」といった方が多いのではと感じました。
授業後の感想シートでは、ほぼ全員が「バングラデシュを身近に感じた」「もっと世界のいろんな国について知りたい」「沖縄で働いてくれてありがとう」「頑張っている姿を見て自分も勇気が出た」と書いてくれました。
これからますます国籍の多様化が進んでいくことが予想される沖縄ですが、
授業を通して、さまざまな国や地域から来沖している外国人のみなさんの背景や人柄に関心をもってもらえたら嬉しいです。
(写真:アイムジャパンさんより)
最後はサヒンさんから学生さんに疑問を投げかけました。
「バングラデシュは便利なものが少なくて、お金持ちの人も少ない。明日ご飯が食べられるか心配する。でも今日ご飯が食べられたら幸せ。満足。なのに日本人はどうして不満が多い?とても便利でお金もあるのに、幸せを感じる人が少ないのはどうしてですか?」
この質問について、感想シートではさまざまな考察がありました。気になる方はぜひ、最後まで読んでみてください。
サヒンさん、お忙しい中本当にありがとうございました!
↓学生さんからの感想シートを一部紹介します↓
(スタッフこぼれ話)
「感想は最後にサヒンさんに渡します」とだけ伝えていたのですが、中には漢字にふりがなを打ったり、
「ドンノバード」とベンガル語で「ありがとう」を伝える方もいました。
相手を想いやる気持ちが自然にあふれていて、少し嬉しくなったスタッフでした。
そして、授業終了後も気になったことや感想を伝えにきてくれる方が前に集まってきて、大人気のサヒンさんでした。